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毎日が記念日

天才に出会った衝撃 スペーストラベロイド感想

芸術の秋ですね~!!(挨拶)

 

ちゃっかりイヌフェス参加作品観に行ってるのワロタ~って感じですが、まあ見に行きました!イエイ!

 

 

 

この作品の感想は、マジでもう、サブタイの「天才」に集約されてしまいます。もう、とにかく脚本家の羽仁修さんが天才です。

 

羽仁さんの脚本は、『ギャングアワー』と『恋するアンチヒーロー』しか知らないのですが、セット転換をやらず、ワンシチュエーションの中で、アンジャッシュ的な勘違い・すれ違いと古典的な保身からくる嘘による齟齬を笑うコメディ。そして、物理的な転換をやらない分、「とある人物のとある動き」によって場面をひっくり返す散らかし方。マジですごい。

個人的に、わたしが大団円・ハッピーエンドが好きで、コメディでゲラゲラ笑うタイプのちょっと頭がゆるいガールなので、こういうコメディがすごく好きなんです。

 

で、本作『スペーストラベロイド』は、前述2作よりもはるかに嘘の層が分厚いんですよね。かといって、嘘で塗り固められたミステリーではなく、あくまでコメディ。それに、人間臭い、情とか、信念とか、そういう想いも入っていて泣ける。

脚本の仕掛けに、「うわ、すごい!」と驚きながら、目の前のお芝居は面白いから笑っちゃう。すごいものを見せつけられました。

一番「うわ、すごい!」ってなったのは、火野さんが本物のハイジャックをした時に、ドヤ顔でいるカメラマンちゃんのセリフです。…もはやゾっとしましたもんね。

 

 

わたしは夢小説を長短合わせて200本ぐらい書いてきたし(書きすぎ)、pixivなんかでも気が向いたらポンっと投下する感じで、ストーリーを作るのは好きなんです。設定とか。

話を作る時って、「思い出話」のように最初から最後までスルっと書けるときと、「このシーン・このセリフ」のために書くときがあるんです。わたしの場合。

舞台に限らず、映画や小説でも、「あ、このシーンがやりたかったんだな」って分かる時があるじゃないですか。このシーンのためのセリフだったり描写だったりなわけで。でも、『スペーストラベロイド』は、どこから作ったのかがまじで分からない。オーパーツ的な。テーマがブレているわけじゃないんですけど、どのシーンも、どのセリフも、全部、前後の流れと繋がっていて、エッシャーのだまし絵みたいに、永遠に続くのぼり階段を見せられているような…。途方もない感動がありました。

登場人物ひとりひとりに、かなり明確な役割があって、実際に演じられたみなさんも、その役割を十二分に果たして、ストーリーを円滑に回していたと思います。

 

いや、すごいんですよ。演者のみなさんも。あの舞台の使い方も「あ、すごい」って思ったし。セットも良かったし。

でもね、やっぱりこれって、脚本・設定がものすげーな!!って衝撃でした。めっちゃすごいと思った。

 

羽仁さんは、こうおっしゃっていますが、書きあげてくださって本当にありがとうございます!!って思いました。こんなすごい話の展開の仕方あるん!?っていうぐらいめっちゃ感動したし、楽しかったです。

 

舞台の感想って、普段はもうちょっと理性的に、順を追って色々書いているつもりですが、『スペーストラベロイド』については無理です。脚本がすごい!!っていう興奮が収まりません。やばい。あれはやばい。まじで。

 

興奮が収まって、理性と気力が残っていれば普通のいつも通りの感想も書きたいなと思います。

 

 

とりあえずあれです。

 

 

 三鷹さん、ごめん。火野さんが好き。