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毎日が記念日

『明日』を観てきました

 

こんばんは。7月にしては極寒じゃないですか?クーラー代が浮くのでありがたいですが、7月になった気がしなくて日付感覚が狂った挙句、母親の誕生日を間違えてしまいました。(近況報告)

 

ところで、みなさんはSNS、活用できていますか?稽古~公演期間中、共演者やスタッフさんのSNSから推しの話や写真が飛び出してきますよね。それを漏らさないように、わたしは作品ごとにTwitterで非公開リスト作ってます。

で、2019年1月に『封神演義-目覚めの刻-』がありまして、続編がありそうだったので千穐楽のあともリストは残しておりました。そのリスト内で、超気になる作品名を見かけたので、行ってきました『明日 -1945年8月8日・長崎』!(雑過ぎる導入)

seinenza.com

こんな俳優おたくみたいなブログ書いていますけど、劇団にも詳しくないですし、帝劇とかクリエとかも良く分からない素人です。でもこの第237回がとんでもない数字なのは分かります。良く分からないものでも飛び込んでいく!それが、ここ数年のわたしの人生のテーマなので観に行ってきました(規模を大きくするな)

 

 

100点満点中97点でした。(普段は100点満点中30点ぐらいのものにダンブルドア方式でバカみたいな加点をしています)(今回は減点方式で97点だった)

マイナスになった3点について話した後、好きだったところやざっくり所感を書いていきます。

 

①方言

世の中には「方言萌え」なるジャンルもありますが、わたしは逆に「方言萎え」をしてしまいます。日常会話ではなく、舞台にしろアニメにしろ、「商品」パッケージになった方言ってどこか違和感があります。言葉だけではなく、イントネーションや、話す人の雰囲気も加味されて、その土地の言葉になると思っています。

せっかくの作品なので、あんまりケチつけたくないので、全体的にイントネーションにモヤモヤを覚えつつ、流していました。…が、1つだけ流せないものが。

「先生」

役者さんはセットの裏にいて、声だけ聞こえるシーンのときの「先生」は…うーん…違ったんですよね。そこが引っかかっちゃったので、1点引きます。

他の部分も完璧ではなかったけど、言うほどじゃないなぁと思ったので大丈夫です。

 

②”演劇”感

「いや、演劇観に行ってるのにそれをマイナス評価するんかい!」っていうツッコミはよ~~~~く分かるんですけど、あの~……。

舞台観に行ってて、「あ、このシーン、役者たちは演っててキモチイイんだろうな~」ってなる瞬間ありませんか?感動的・印象的なシーンにしたいんだろうな~って、制作側の魂胆がミエミエなシーンを見せられると冷めちゃうんですよね。「このシーンのために僕たち頑張りました~!!」みたいなの~!!好きなシーンとか印象的なシーンは、観客が勝手に決めるので…。

劇団()とも言えないサークル活動の発表会だと、1時間~2時間の全編を通してこんな感じですけど、今回はちゃんとした劇団の舞台作品だったので、そのシーンも1か所だけだったので、良かったです。良くないけど。

 

③パンフレット

これが一番ガッカリした。

せめて本編に出てきた地名は全部載せません!?

口之津とか生月とか有田とか端島は縮尺の分母が大きい地図と、住吉~大浦~蛍茶屋が入った長崎市内の拡大地図の2個無いと…。う~~~~~ん…。モヤ。モヤモヤ。

個人的にイヤだったのが、大波止と勝山と寺町が入ってないのがめっちゃイヤでした。「そんな風に言えるなんて、自分地図見んでいいやん」って言われるかもしれませんが。うん、地図なんか見なくたって分かるよ。分かったさそりゃ。

でも、池袋の劇場に、長崎市の地名と場所が一致してる人ってそんなにいっぱい来ます?来れないでしょ?そんなに大変な作業ですか?正直、「手抜きだな~」と感じました。

 

以上、3点のみです。マイナスポイント。あとは全部プラスなので、ごりごり書いていきます。

 

 『悲愴』第二楽章

ピアノ・バイオリン・チェロの三重奏(っていうのかな?)(音楽詳しくない)で、ことあるごとに流れました。導入部分でも流れるのですが、一番盛り上がるところで、舞台にあった11時2分で止まっていた時計がグワーっと巻き戻る瞬間がめっちゃゾワーってなりました。

タイトルにもあるし、作品紹介にもあるように、1945年8月8日を描いた作品なのですが、抗いがたい絶望と『悲愴』の曲調の組み合わせがいい塩梅でした。綺麗な感じに仕上げるのでもなく、9日に訪れる地獄で脅すのでもなく、観客にちゃんと見せたい・見てもらえるような。

 

時計なんぼあんねん

登場人物の家やシーンに合わせて時計が1つ1つ違っていたのですが、いやまじで、なんぼあんねん。多ステ(そんな概念があるのかは謎)する人は、あのシーンとこのシーンの時計が一緒だった!とか、文字盤がアラビア数字なのかローマ数字なのかとか、そういうところにも気付けるんだろうなぁと思いました。

 

「明日」

「明日、新型爆弾が落ちると知っていたら」

仕事の後に町をぶらぶらしようなんて言わない。

夕食用のお弁当を包み直してお昼ご飯用に持って来るなんて言わない。

出征する人にオムレツを作ってあげるなんて言わない。

遠くの病院にいる娘をどうするかで言い争いなんかしない。

「明日、何があるか」そんなの本当は誰にも分からない。でも、わたしたちはいつだって、「今日と同じような明日が来る」と錯覚している。だって、「今日は昨日と同じような日だった」から。

「明日地球が滅亡する!」なんて怯えて暮らしたって、精神的におかしくなっちゃうから、とりあえず「今日と同じような明日が来る」という想定で生きています。

…まあ、こういう趣味やってれば、明日どころじゃなくて3か月後半年後1年後の予定もガッツリ握られちゃうんですけどね!ワハハハ!!

 

おじさん

新郎側の養父(?)が、挨拶の返礼するときにいちいちなんかボソボソ言うのがリアルすぎてめっちゃ笑いました。そういうおじさん実際いるんですよね。頭下げるたびにナンマイダーナンマイダーっていう人。(それお葬式じゃん)

あとこの人、端島に行けてたら助かってますよね。家が橋口町って言ってたから、奥さんは多分……。

 

美味しかもんば食べさせてやりたか

涙腺崩壊 映画化決定

さすがにこのテーマで、「もう泣くことはないだろう」とタカをくくっていたのですが、このセリフで号泣。自分の子供に、いいものを食べさせてやりたいという親の気持ちがさ~…。書いてて思い出し泣きしてます。

このときの「美味しかもん」というのは、「オムレツ」なのですが、「オムレツは出来立てじゃないと意味が無い。子供のいる場所に運ぶまでにダメになってしまう」って断られるんですよね。でも、「作り方を教えることならできる」って…。

……………………何!?泣くんですけど!?(謎ギレ)

このシーンは見ててものすごくつらいし、しんどいんだけど、すごく好きでした。

 

芋がないので塩辛配給

当時の食糧事情の厳しさがうかがえるシーンですが、この語り口が非常にコミカルだったので、つられて笑ってしまいました。しかも、その塩辛配給の対象になったのが、勝山町だっていうじゃないですかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww突然そんなネイバーフッドな地名出されたら誰でも笑うっしょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれは気の毒ですね~みたいな顔を、橋口町と油木町の人たちがしてたからもう~~~~wwwwwww勝山町どんだけ市役所から嫌われてるんですか~~~~~~~(でも市役所の目と鼻の先じゃん勝山)

 

有田

…結婚指輪も、指輪入れも多分手作り…?なんか…末永くお幸せにな…って思って苦しかったんですけど、この人たちの末は翌日…とか気付きたくないことに気付いてしまってしんどい総理大臣でした。

地味に食品は本物を食べてるっぽくてウケました。(そこ?)

 

ラストシーン

「みんな仲良く死にました!完!」って感じでしたが、実際は助かった人もいただろうし、犠牲者も即死の人ばかりじゃなかったと思います。でも、それは8日の時点では誰にも分からなかったわけで。そういう意味で、登場人物全員がひとまとめにされた演出はよかったなぁって思いました。

 

 

ざっくり所感

個人的に「運命」と「宿命」の違いを考えさせられました。この作品を観る前、チケットを買おうと思っていたときから感じていたことではありますが、わたしがこの作品を観たのは「宿命」だと思うんです。生まれ育った土地、自分ではどうすることもできない、決められたこと。

でも、1945年8月8日を生きた人たちにとって、8月9日は「運命」だったんじゃないかなぁと。

なんとなく、「宿命」は「これからすること」を決める要因になっていて、「運命」は「事が起こった後」にそうだと気付くものじゃないかなぁと。似ている言葉だけど、向いている方向は全く反対じゃないかな。

 

前売り券が16日昼の追加公演以外、売り切れている!という情報も知っていたので、「一体どんな客層なんだ…?」と怯えておりましたが、…初めてぶちこまれる客層でした。

端的に言うと、お年を召した方が多かったんですよね。…なんで?って思ったんですけど、あの日の客席の平均年齢になるぐらいまで、わたしはこういう趣味を続けていられるのかなぁとふと思いました。

終演後の最前センブロにペットボトルが置いてあったのは「コノヤロウ」と思いましたけど、それは年齢性別関係なく単にその席に座っていた輩がうんこだっただけです。

 

テーマがテーマだけに、「ミュージカルテニスの王子様3rdSeason全国大会青学VS四天宝寺」みたいな楽しさはないんですけど、懐かしい地名がいっぱい出てきて、わたしは楽しかったです!(?)

 

 

次の現場は『ギャングアワー』だぞ~~!!とハートが高鳴るパーカッションになっていましたが、

……わたしの人権ーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 

 

次回、マシュマロ返信!デュエルスタンバイ!

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