言葉にすること。他人に伝えること。
昔のパンフレットの話です。
続きを読む『白痴』について
読みました。青空文庫で
そのうえで、舞台『白痴』に対して思ったのは
「富士山が綺麗だから」描かれた富士山の絵はなく、
「綺麗な青い絵の具を使いたいから」描かれた富士山の絵
だなぁと。話については私のパーソナルな地雷を踏みぬかれ、思うところが一つや二つどころじゃなくありました
1回しか観ていないので、聞き逃しだったら申し訳ないのですが、坂口安吾『白痴』が“東京大空襲”を下敷きにしているのに対して、舞台の空襲シーンでは“そう”見せないようにしていたんじゃないのかなと感じました。“東京大空襲”の苦しい記憶を持った人たちがまず読んで、それから全国各地で似たような痛みを抱えた人たちに広まったんじゃないかなぁと思うのですが、どうなんでしょうね。残念ながら私は70年前の世界には生まれ落ちていませんので分かりませんけれども。
・伊沢
とにかくビックリするぐらいに感情移入が出来ませんでした。「コイツ痛い目見ればいいのに」っていう嫌悪感がたまらなくて、自身の妄想で苦しむ姿は非常にスカっとジャパン。だからこそ、「物語の終わりが伊沢の終わりだったらよかったのにな~!」とマジで思いました。
・仕立て屋
小説読んだら、息子を肺病で亡くしているようで、心が痛かったです。街の住人の入れ替わりがあるはずなのに、「元からこんな街」と言えるのは、多少なりとも彼も狂っているのでしょう。
・少尉
中村龍介さんの軍服姿がかっこいい!!!!数年前に、何かの舞台でお姿を拝見したきりでしたが、良い年齢の重ねられ方をされていて……もう……かっこいい!!!!声にも貫禄があって……もう……かっこいい!!!!
「戦時中の教育の賜物」って話もありますが、別に今のような「ひとりひとりがかけがえのないもの!」という教育を受けた中でも、少尉のような価値観を持つ人はいると思います。作中でも言い争いがありましたが、相容れない価値観をぶつけ合うのはあまり生産的ではありませんね(そこ?)
煙草屋の証言でしか出てきませんでしたが、再召集がかかって、丸めた布団で声を殺して一晩泣いて、目の前の逃げようがない「死」と向かい合い、「美しい顔」でその地に赴く、というシーンが心に残りました。ドラマやアニメではなく、マンガで観たいシーンでした。なんかこう、キラキラのトーンでエフェクトかけてさ…
とにかく、中村龍介さんがかっこよかったです
・家鴨
スタイルがいい、シュっとした男性の碕理人さんが…まさかの妊婦…!がっつりお腹が大きかったですし、ものすっごいガニ股でした
初日のTwitterにあがった画像を見て、「え、違和感ない」とビックリしましたし、劇場で観てから「中学校の時の部活の同級生に似てる……」と……。気まずい
豆腐屋の妾になると決まってからの、あの穏やかな感じは凄いなぁと思いました。前半の荒れている感じもすごくよくて、しかも、最低限の女らしさ(時代的な表現ですが)があって、気品もありました。なんだろう、ただのアバズレじゃない感じが良かったです。そら、身請け先も決まるわ
現代の服になった……あの、ロングスカート……碕さんのファンの友達のファッション……!気まずい
がっつり殺し屋の檸檬くんやったあとに、妊婦家鴨ちゃんやれちゃう碕理人さんがアツい2018年!!
・母親
ともすればギャグ・お笑い要員になりがちなのに、ヒステリィのわけのわからなさ、怖さが良かったです
自分の思い通りにならない白痴の嫁に対する腹立たしさも分かるし、唯一の肉親を失ってその嫁を唯一の拠り所にせざるを得ない悲しみがゾワっとしました
これ何回か観たら、絶対夢に出ます
・煙草屋
もう、色んな醜さが、少尉の美しい顔に心を動かされたシーンで全部チャラです!!あれはもう、好きです!!すggggggggggggggっごい好き
・サヨ
伊沢と並んで感情移入が1ミリも出来ないキャラクターで、しんどい。家鴨のことを「腹の子供より、今日の晩御飯のおかずを1品増やすことに腐心している」って罵るのが、一番無理かな。だって当たり前じゃん。まだ見ぬ命より、最も一番身近な命のために、しかも、たった1品のおかずのことを考えて何が悪いんですか?(デブ正論)
・社長
とっとと伊沢をクビにすればいいのに、しなかったのは、ああいう文化人はプロレタリアだのなんだのかぶれだったのかなぁと
好意的にとらえるなら、本人は伊沢のように映画を撮りたいと思っていたが、お上がそんなの許さないし、お上に逆らえば映画会社も潰されて社員と社員の家族の生活が…って苦悩していてほしい
・きちがい
・振り幅
過去1年間で、『遠い夏のゴッホ』『ギャングアワー』『白痴』の三作を見に行きました。たった三作の印象なので、マジで木ノ本くんのファンからの夜道で刺されても仕方ないと思いながら書いています
『ギャングアワー』のときに既に「え!?これ、ホセちゃん!?」とビックリしていました。全然違ったので。ミミズと人間が同じように見えたら、それはそれでヤバいと思いますが……。ホセは【純度100%の白】、一方田中は千穐楽エンディングで「こりゃ、将来三鷹さんを越えるぞ」と思うような【純度100%の黒】と思いました。この時点で、私の中の木ノ本くんの振り幅は、左右に大きく振れていました
そして『白痴』。気違いであるが故の【純度100%の白】であり、【純度100%の黒】が共存していました。私の中の木ノ本くんへの印象の振り子は左右にでは無く、ぐるんぐるんと大きな円を描くようになりました
・説得力
公演を思い返し、気違いの演技にどこか既視感がありました。堺雅人さんでした。テレビの画面越しでも伝わる圧倒的な説得力が、木ノ本くんにはありました。『リーガルハイ』古美門研介のめちゃくちゃなことを言っているのに、相手にぐうの音も出させない説得力の強さ。木ノ本くんの気違いには、そういう聞いているものの心を、自分に向けさせる強さがありました
木ノ本さんのファンは、明日の公演・次の現場も楽しみなのでしょうが、私は木ノ本さんの10年後20年後も観てみたいなぁと思いました。どれだけ、言葉に迫力を乗せられるようになっているのだろうか、と思います
・ほか
衣装がものすごく似合っていて、帽子とコートが最高に素敵でした!
あとね、カウントダウンの「10、9、8、7、6…」の右手の動きが最高でした!!
劇場出てから、誘っていただいたお友達と「嶺浩さんがかっこよかった…」と言いまくりました…すごかったです。すごい
好き!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
声がかっこいい!!
あのさ、「見目麗しい若武者」でウインクするのがたまらんかったです……。最高でした
公式ブログに『誰よりも人間?この女が?……欲しければやろう。』ってありましたけど、あまりにもゴールドロジャー……
坂口安吾の『白痴』の舞台化かどうかと聞かれたら、正直NOだと思います。『白痴』に出てくるキャラクターを使った、全く別の作品だと思います。2次創作というより、1.5次創作、みたいな…?(?)
序盤にきちがいが屋根からドンと落ちる音とか、マンガのコマ割りのような白いテープとか、すごく演出に気を使っている舞台だなぁって思いました。
「くさい」人間・「役に立つ」機関車 『マリアビートル』
2月は何しよっかなー?と思っていたところでお友達に誘ってもらって観てきました。テニミュを卒業した後の小沼さんと碕さん!自分にとっては初めてのスペースゼロでした*1
余談ですが、銀河劇場の初めても、このお友達の縁で行った舞台だったんです。それでその後に、『メサイア』でお世話になったのですが…………と、いうことは、この後荒木さんもスペースゼロでお仕事ありますか!?
チケットの日付の2日前にお誘いいただいて、その日のうちに原作本を買い、読み切った上での観劇でした。伊坂幸太郎さんのファンではなかったので、前作(?)の『グラスホッパー』は未読です
蜜柑と檸檬贔屓のお友達の縁だったので、原作も、蜜柑と檸檬に感情移入しがちでした。そのうえで、「七尾、好きになれない……」と思っていました。あと王子くんと木村雄一の針のシーンが無理すぎて飛ばしました。痛そうすぎる
舞台装置
奥から手前に下がるような傾斜、緑の床に白線で3席-2席の客車や、荷物置き場・お手洗いが引かれていました。緑に白……あとは、ネットとベンチ……そんな気分になりました
下手に電子ピアノ
舞台の奥行きの真ん中あたりに濃いブルーの幕
途中で気がつきましたが、舞台のへりに黒いでっぱりがありました
一番奥に新幹線の電光掲示板
内容
忙しい人のための『マリアビートル』
木村雄一と王子・七尾の過去編はバッサリカット
結論:「スズメバチ」っていう暗殺屋さんが復活の狼煙を上げるために、裏社会のドンを殺したよ。その他もろもろの暗殺屋さんも何人か死んじゃったよ
感想
何でもかんでも舞台化すんじゃねえよと常々思っているので。舞台で表現する必然性とか、戯曲というものを強く考えてしまいます。演出家としては、そりゃ、あたりまえですけど。明日は場当たりです。
— 元吉庸泰 (@TsuTsunene) 2018年2月12日
という、演出・元吉さんのツイートを踏まえて、「舞台化でよかったところ」「舞台化で好きになれなかったところ」の2点でまとめます
よかったところ
・木村雄一に対抗するためにスタンガンを押し当てる王子が、そのまま客席に向かって放電、舞台は暗転。これで、最後列のお客さんにも、王子がスタンガンを持っていたことをセリフ無しで説明できた
・舞台に傾斜がついていて、ヘリにでっぱりがあったが、これはラストシーンで段ボールから零れる檸檬Zたちを客席に落とさないための工夫だった*2
・座席を再現するわけにもいかないので、各人が自分の椅子をもって客車を表現していたが、椅子がひとりひとり違っていて良かった。王子は豪華で、蜜柑と檸檬は背もたれに1本ずつ蜜柑色と檸檬色の骨が入っていた。木村は学校の図工室にあるような背もたれがない丸い木製の椅子。トンと椅子を置く感じが、小説の印鑑をポンと押す感じがしてよかった
・音響効果!
舞台マリアビートル 。今回の効果音、走行音、扉の音、ゴミ箱の音、盛岡駅の喧騒、アナウンス。全て音響の堀江さんがマジ新幹線に乗ってマジ録音したものです。素敵。 #マリアビートル
— 元吉庸泰 (@TsuTsunene) 2018年2月16日
……だそうです
・デッキに移動するときに、絶対立ち止まって扉が開くのを待つ細かさが好きだった。別の場所でセリフとスポットライトでも、みんな立ち止まる。自分は新幹線経験は豊富じゃないけど、特急でもそんな感じだから、説得力がマシマシだった
・小説では、蜜柑が「今、(檸檬の)死体を探ったら、あいつのジャケットからこれ(本)が出てきた」と言って表現されていた部分が、舞台では、檸檬が蜜柑のジャケットに本(とトーマスくんのシール)を入れていて、鳥肌が立った。蜜柑の尻ポケットにくじ引き券を入れて、蜜柑の両肩をポンと叩いて去る檸檬が切なすぎて涙腺がブチ切れた
・木村茂が客席に背中を向けて、王子に何か言うシーン。マイクがないから、演者が「客席に背中を向ける」って、表情が読めないっていう視覚的な効果だけじゃなくて、声が小さく聞こえるっていう音の味付けにもなるんだなぁと思った
小説のほうがよかったところ
・マリアちゃんは『べるぜバブ』のヒルダさんのイメージで読んでいたので、なんか「あ、舞台に立つ女優さんだな」ってギャップがあった。声をキンキン張り上げる感じ
・七尾が狼の首を折るとき、手を離してしまった
・蜜柑と七尾の追いかけっこ。小説は蜜柑視点が先に書かれていて、空になったガラスケースとか、ヅラの男だけポンと出てくるハラハラ感がよかった。舞台だと、時系列に沿って、七尾がやらかしたことっていうネタバレがあったから、ハラハラ感は出なかった
雑感
・背が高くてシュッとした男が好き!!もう碕さんも小沼さんも足が長いし細いし、アクション*3もかっこいいし、ほんとに背の高い男性!はい好き!ドーン!ってテンションあがりました
・蜜柑がボトムの裾を2センチぐらい折り返して、しかも紐靴っていうところに、性格が出てたなぁ……
・小沼さんは2nd全国立海の「跡部のコスプレしてた人」という印象しかなかったので、上演中もアフタートークのときも、すごくきちんとした(?)、素敵な俳優さんだなぁと認識を改めました
思い出したらまた追記します
いや~~!とにかく誘ってもらって本当に良かった!いいものを観させてもらいました!劇場アンケートもそんなに沢山は書きませんでしたが、大変良かったにマルをつけました!お疲れさまでした!
作中、悪いことを考えてる人間を「くさい」と表現する木村茂や、「役に立つ機関車になりたい」と思う檸檬といった、「殺し屋さん」とは関係ないけど、生きる上で考えさせられるようなキャラクターが出てきます
七尾なんかは、「くさい」人間の匂いに全く気づかないだろうし、大抵の人は「くさい」人間に気づいてもその人を排除できなくて苦しくなるんじゃないかなぁ。自分は昔、この「くさい」人間を見誤ってしまったことがあって、後悔しています。本当はくさくない人を「くさい」って判断してしまったんです
「役に立つ」機関車、なれるといいなぁ〜〜でも努力するのめんどくさいな〜〜っていうダメ人間なので、それはそれで刺さりました
近況
平昌五輪フィギュアスケート男子を観ました。羽生選手・宇野選手・田中選手、お疲れさまでした。そして、パトリックチャン選手も……
自分にとってフィギュアスケート(中継)は、冬の風物詩でした。母が強化選手だったこともあり、気付いたらテレビで観ていました。茶の間のセミプロ解説者は、毎年手帳に、大会ごとの好きな選手の得点をメモしていました
スケートのうまい母から産まれましたが、自分は氷上でまともに立つことすらできません。かつて地元に1か所だけあったスケートリンクへ、同級生と遊びに行った翌日の部活動で、顧問からドン引きされるぐらい青タンを作るほどの運動音痴です。ジャンプの種類もまともに分かりません。母ごめん
SPは羽生選手だけ、中継で見ました
FPは仕事のお昼休憩の時間を見計らって、最終グループ全員の演技を見ました。羽生選手も宇野選手も、終わる直前にものすごく素敵な顔をしていて、泣くかと思いました。人前だったので我慢しましたけど。それに、傍で見守るコーチたちが、彼らのジャンプの成功を喜び、彼らを鼓舞するために声を投げ、腕を挙げる姿も印象的でした。20歳超えて急激に涙もろくなりました
パトリックチャン選手のフリーを見ながら、「あ、この人引退するんだ」ってピンと来て、すごく悲しくなりました。情弱だったので、仕事が終わるまで知らなかったんです。本当に引退を宣言していたなんて。チャン選手は、ずーっと強いんです。ミスもしない。高橋大輔さんや織田信成さん、日本代表選手に勝ってほしい!とテレビの前で思っていても、いつもチャン選手がきっちり決めてきました。シンプルな衣裳が、滑らかなスケートを際立たせていました。すごくいい笑顔なんですよね。混じりけが無くって、イヤミでもなくって、「魅力的な笑顔」をそのまま具現化したようなキラキラの瞳なんです。ただただ、悲しい。でも、競技選手を引退しても、スケートを辞めるというわけではないでしょうし、きっとまたどこかで
今回金メダルを獲得した羽生選手が、「生きてきてよかった」と言葉を漏らしていました。「東北出身」とカテゴライズされ、望むと望まざるとに関わらず、多くの人の「命」を背負わされたんだろうなというものを感じました。明らかにテレビカメラを意識した表情づくり、羽生結弦選手が「羽生結弦役」を懸命に演じようとしている姿が心苦しかったです
「オリンピックで羽生選手がいたから楽になった」と漏らす宇野選手からも、客席・メディアやお茶の間からのプレッシャーの強さを感じました。平気そうな顔していますが、何も感じないわけじゃないんですよね……でも期待しちゃうんだ……ごめんなさい
オリンピックに出るっていうのがすごいことです。日本の代表、日本でトップって、そんなの、普通に生きてたら中々できません。他の国の代表選手も、その国のトップです。沢山、選手は出場していますが、少数精鋭の戦いで……。ケガとかプレッシャーとか色々あったと思いますが、茶の間でだらだらしながら見ていた自分のような堕落人間も、めっちゃ感動しました。きっと選手のみなさんは「感動させよう」じゃなくって、自分のベストを尽くそう!金メダルを獲ろう!と思って頑張っていたと思います。話がまとまらない。とにかくすごかった。お疲れさまでした
浅田真央選手のソチ五輪でのFPがわたしの中では一番です。3回転を飛ぶ構成は変えずに、最後の3回転、ループジャンプを成功した時のヨシッ!ってところと、スケートが本当に好きなんだなって伝わるステップでボロ泣きしました。最後に演技が終わって、堰を切ったように泣き出した浅田選手に続くように号泣しました。今見てもこの3箇所は泣けるし、音楽聴くだけで泣きます。この先、たぶんこのソチの浅田選手のFP以上に自分の記憶に残る演技はないんだろうなって思います
ところで『ギャングアワー』の稽古いつ始まるんですか?もう始まってますか?
「カイロ・レン」について、温度差
『STAR WARSエピソードⅦ』
公開を怯えながら待っていた
いざ観てみると自分としてはすごく面白くて、気に入って、劇場に3度足を運んだ(うち1回は4DX)*1
何が良かったか?カイロ・レンだ。カイロ・レンが父ハン・ソロと対峙するあのシーンがとても好きだった。太陽が吸収されてしまう前に零した後悔・弱音が好きだった。仮面の下で、赤い銀河を眺めていた彼の祖父ダースベイター(アナキン・スカイウォーカー)も、同じことを考えたに違いない!と決めつけ、映画館で泣いていた
それから太陽が吸われ尽くされ、カイロ・レンのライトサイドも消えた。分かりやすい演出だった。ハン・ソロは十中八九、説得なんか成功しっこないって考えてたと思う。でも、あの場で「ベン!」と呼びかけたのは、間違いなくレイアへの愛だった。不器用で身勝手な父と、高圧的で人の話を聞かない母。それから歩く絨毯。Ⅶの時に、「うんうん、ベンくんそれじゃあグレちゃうよね。仕方ないよね」なんて思っていた
レイも好きだった。反乱軍の割れたヘルメットで表情を隠すシーン。雪の林の中でカイロ・レンを追い詰めるシーン。デイジー・リドリーの中に、ジェイク・ロイドも、ヘイデン・クリステンセンも、ナタリー・ポートマンもいた。昨年のTV放送では、リーアム・ニーソンを感じた。「あぁ、彼女はSTAR WARSの登場人物だ」と納得した
先日、『エピソードⅧ』の話を他人とすることができた(本題)
2人と話をして、1人の感想を又聞きする形ではあったが、三者とも「カイロ・レンがダメだ」と言っていた。話を統合すると、「ダークサイドが弱そう」ということだった。そりゃそうだ。旧三部作のヘマをした部下を容赦なく絞殺し、息子の右腕を切り落とした悪の化身としてのダースベイダー(+皇帝)と比べると、カイロ・レン(+スノーク)は余りにパンチが弱すぎる
「悪」のインパクトを求める人々にとっては、なるほど確かに物足りない(を通り越して不満だろう)
なるほどなー…。悪の“インパクト”以外に、目を向けてもらう作りって大事だ
話をした2人は、いずれもⅧのラストシーンには大興奮していた。フォースは、名も知らぬ子供にも宿っている。そこに、「悪」のインパクトを超える、「夢」を見たのかもしれない
自分はカイロ・レンが好きだ。それは変わらない。悩んで苦しんで、人間味のあるファースト・オーダーとして、最後まで生ききってほしい(もはやⅨでの生存を想定していない)
*1:4DXについてもいつか記事を書きたい
地元の厳しい目『沈黙-サイレンス-』/文脈の共有『ジャッキー』
2017年に見た映画の話をする
1月30日鑑賞
『沈黙-サイレンス-』
・アダムドライバーとリーアムニーソン出演で見るのを決めた
・雲仙の温泉の間違った使い方
・漂着してからのムラの描写がすごく良かった。こぢんまり感
・長崎弁に戸惑うアダムドライバーばりよかね
・「もう1回……」
・五島……五島!?それ、五島!?
・殺し方を色々メモしている*1→熱湯をちまちま浴びせる。貼り付けにして海にさらす。海に突き落とす(簀巻き)。火で焼く(簀巻き)。逆さづりにする。いきなり首を切る。
・何が言いたいかって、リーアムニーソンとアダムドライバーが出会う前にアダムドライバーがぶくれ死んだ無慈悲
・アダムドライバーが長崎来る!!長崎奉行所!!って興奮して身構えてたのに、ぶくれ死んだし、そもそもロケ地が1ミリも長崎じゃなくて悲しみが深かった。あれどこなん……?
・日本は沼だから蓮の花は咲く(仏教が広まったっちゅーことかな?)(蓮……)(*2
4月12日鑑賞
『ジャッキー』
・ナタリーポートマン主演だから観た
・JFKの悲劇をアメリカ人として共有できていないからほぼほぼ全編理解不能だった
・それにつけてもナタリーポートマンの美しさよ
・ナタリーポートマンになりたい
ただただ1本の映画を観るだけなのに、知識や経験としての貯えがないと、楽しめないものなんだなぁとそれはそれで学びになった
『沈黙』ほんとまじ……あ~……アダムドライバーとリーアムニーソンに長崎に来てほしかった……ほんと長崎奉行所なら自分の庭ってレベルのドドドドド近所なのに……はぁ~……*4
『ジャッキー』は、当時のアメリカの混乱とか悲しみを知っている人に解説してもらいながら見たら多分きっと面白い映画だったんだと思う
映画館にまで行って観たい!と思える映画が今のところない
夏?のハンソロスピンオフも迷う*5
『STAR WARS EPISODEⅧ 最後のジェダイ』~っぽいではダメ~
ネタバレしかない
※自分も今日までネタバレに触らないように生きてきたし それで正解だったと思う
・最初の字幕見て「生きている間に自分の目でスターウォーズの新作を見ることができるなんて幸せだなぁ」と思って泣いた
・新三部作世代なので反乱軍・新共和国・レジスタンスが危機的状況なのに慣れない
・ハイパースペース航法が強調されがち
・Ⅶでレジスタンスで一番の優秀なパイロット描写が薄かったポーダメロンのアナキン系パイロット描写
・ハンソロを失ったレイアが犠牲について考えるようになったのだ……犠牲の犠牲に……
・裸で漏らしながら彷徨うフィン面白すぎる
・オルガイツカにもそれやってほしかった
・私情でしか動けないカイロレンくん
・【悲報】レイアの謎パワー生還(宇宙空間に生身で放り出されたらどう考えても秒で死ぬと思うのだが、科学に詳しくないのでもしかしたら生き延びられるのかもしれない)
・レイと出会った時のルーク Ⅳのオビワンを思い出してしんどい
・Ⅲ見た後にⅣ見たら オビワンがルークに出会うシーンで涙腺が爆発
箇条書きにしたらめんどい
以下思ったこと
・レンとレイが時々(スノークの)謎フォースでテレパシー飛ばすのさ夢で二人会えますように感がとんでもなく大興奮したし、2回目にレンくんが上半身裸だったのが普通に教育によろしくないし、左肩の傷跡が最高。絶対手と手が触れ合わないと思っていたのに、ドォン……と触れ合ってお互い通じ合えたのが最高だった。今回、2作目だし、どっちかの右手が落ちるのかなぁと思ったけどそんなことなかった。最高だった。
・①レイとルーク、②レジスタンス(レイアとポー)→+③フィンとローズ、④ファーストオーダーの4つの場面が同時進行で、話が進まない割に、ころころ舞台が変わったからついていくのに大変だった。
・現代社会の風刺がストレートすぎて、ちょいちょい現実に引き戻されるのが好きじゃなかった。
・カイロレンくんよくできました!!(スノーク串刺し・レイとの背中合わせ)って思ったのに……なんで……決めなきゃいけないところで決めきれないところがほんとにスターウォーズの登場人物って感じで大好きだよ。幸せになって死んでくれ。
・「最後のジェダイ」って、大体はルークを想像したし、ひょっとしてレイかな?とも思った。ルークはレイだと言っていたけれど、それよりもっと前に、レイがベン・ソロが最後のジェダイって言っていた(ような気がする)(胸が熱くなった)。ラストシーン見る限りだと、「最後」のジェダイなんていなくって、「フォースは万物の間に流れているものだから、万物が存在する限り、ジェダイは存在する」っていう結末にしたいのかな。
・ヨーダがパペットだったのが地味に興奮した。
・ルークVSレンで、レンは足跡が赤くなっていたのに、ルークは浮いてる感じで、赤い跡がついていないなぁって思いながら見てた。し、ポーが「逃げる時間を稼いでいる」って言った瞬間、Ⅳのオビワン思い出して泣いた。ルークがセーバーを収めた瞬間、「あぁもう、オビワンじゃん」ってルークの死を覚悟した。実際はまるっきりオビワンじゃなくて、ちょっとルークなりの消え方だったのでそこは満足。同じようで同じじゃない。凄く好き。
・ハンソロとレイアの息子って出自がハッキリわかっているレンと、ただれた夫婦にその日の酒代として売られたレイっていう対比がよかった。でも、レイは前作までのネームドキャラの子供でいてほしかった。ついでに今作のレイは全体的にクワイガンジンっぽさがあった。
・エンドロール見ながら、「これから先も、ジョンウィリアムズっぽい音楽は数えきれないぐらい作られるであろうが、ジョンウィリアムズの音楽はジョンウィリアムズにしか作れないから、いつか新作は聞けなくなるんだ」と思うと涙が止まらなかった。あとキャリーフィッシャーほんまつらい。
色々言いたいことあるけれど、レイちゃんとカイロレンくんのこれからに目が離せなさ過ぎてやばいな?!?!??!?!?!??!??!!
おわり!