red-letter

毎日が記念日

映画『CATS』感想 ~評論家なんかクソ喰らえ~

映画『CATS』吹替。先に公開されていた英語圏での評判もつまみ食い程度には観ていましたが、正直100点満点中、5億点じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

前半では「なぜ満点を超えたのか」というダンブルドア先生によるお話、後半は「なぜ5000兆点は取れなかったのか」というスネイプ先生によるお話わずかなディスも嫌な方は前半だけでも読んでいただけると嬉しいです。ちなみにネタバレ祭。歌詞はほとんど今までの日本語版CDのやつなので、吹替とは全然違います。ごめん。眠いので全編で映画を褒めてます。

 

前半(褒めちぎるターン!ドロー!)

・オーバーチュア

 モリアーティのネオンがマキャビティのネオンになる瞬間「あ、これはオモロイ!グリフィンドールに100点!」とダンブルドアが勝利のポーズ。マキャビティって、そもそも「マキャベリ」と「モリアーティ」から来てるんだよね?何を隠そう、昨年の月9『シャーロック』の熱心な視聴者だったので、モリアーティがネオンで出てきただけで加算対象でした!

 (…あんな雑に投げられたらふつうの猫ちゃんは死ぬんじゃないかな)

 ビクトリア入りの袋の周りを猫たちがぐるぐる回ってて、「あ、回転席や!」となる。回転席、1回で良いから観てみたいにゃ~ん。

 

・ジェリクルソング

 音が~!

 鼓膜にこびりついたあの音が鳴るんですよ!もう、興奮しかない。そうそう、尻尾が舞台とは違ってCGによって縦横無尽に動くのがすごかった。ビクトリアと同じように、状況が飲み込めなくて、「え?何々?」となっているところに「生」を爆発させたジェリクルソングでガツンと殴ってくるようなこの感じ!最高だ!

 日本語訳の関係で半分に減らされた猫の種類が、頑張って元の数に戻されていたね。

 

・猫の名

 猫には3つの名前がある…。

 ということよりも、猫が何考えてるのか分からないときは、「唯一の名」を思い出しているとき。というところで、バレエのしなやかな動きが入るんですけど、いかんせんわたしにバレエの教養が無いのでどの動きが何なのか全く分からないんですよ。でも、実際の猫も人間から見ると「何やってんの?」と分からないしなやかな動きをすることがあるので、「バレエってこういうことを表現したくて取り入れてるんだなぁ」と勝手に納得しました。

 

・ジェニエニドッツ

 この映画の最も狂気が強い演出を、このド頭に持って来る制作の人さぁ、もしかさなくても3徹後のノリで作ったでしょ!?wwwいきなり網目が雑なフルイで映画の観客を突き放しにかかるえげつなさやばすぎる。そういう謎の自信に満ち溢れた変態、大好き。

 「この作品を映画にしよう!」って思って行動するぐらいキャッツを好きな人が気付かないわけじゃないじゃん。このナンバーがジェリクルキャッツ紹介のトップバッターって。

 

・ラムタムタガー

 泣いた。タガーちゃんが可愛すぎて泣いた。

 舞台のタガーさんは、ハンサムでちょい悪なお兄さんというイメージだったけど、日本語吹替のタガーちゃんはマジでタガーちゃんだった。実質鬼邪高。

 ♩わがままものだ~よ♩の音程ってあんなんだっけ?

 タガーちゃんカワヨ~って泣いてたら、ジェニエニドッツが「あいつ去勢してんの?声高くね?」って言っててめっちゃワロタ。天使の歌声。あれは変声期迎えたら脱退するウィーン少年合唱団のタガーちゃんでした。かわいい。

 

・グリザベラ

 多分、舞台のほうがもっと露骨な嫌がらせを受けていた気がすr…泣いてる!?グリザベラ、泣いてる…。

 …いや、そうそうそう。舞台とかCDのときって、「絶対、タガーさんはグリザベラ(娼婦)のお客さんだったでしょ!?」って思ったんだけど、映画のタガーちゃんはそういうことは出来ないですねかわいい!

 「良いお兄さん」感のあるマンカストラップもグリザベラに敵意むき出しでちょっぴり心が傷つくのは舞台も映画も一緒でした。

 

・バストファージョーンズさん

 可愛い…。

 なんであんなに肥えてるのか、舞台じゃ分かんなかったけど、良いレストランの残飯モリモリ食ってたからなんですね。そりゃ太る。

 天上に行きたい理由が「痩せた姿になって、もう1回太りたいから」ってめちゃくちゃ可愛すぎるし、「今の自分の人生が大好きなんだなぁ」と思うなどした。「もう1回この人生を送りたい」って、わたしの中では最高に満たされた者の考えの一つだと思ってて、すごく良いなと思った。

 

・マキャビティ

 バストファージョーンズさんナンバーのときに、しれっとジェニエニドッツを消すんだけど、マジでびっくりした。「え!?!?!??!?!映画のキャッツはそういう死ぬ系!?!?バトル展開有りか!?」ってびっくりした。し、死人が出ないハッピーチョッピーお花畑!!みたいな作品が好きな立場としては半分ぐらい心が折れてました。

 「バストファージョーンズさーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」ってなったし、マジのガチで凹んでた。客席で。

 結局、自分が天上に行ける猫に選ばれたいからライバルを消す(物理)ってだけで、命までは奪ってなかったんだけど、心臓に悪い…。

 

・マンゴジェリーとランペルティー

 可愛い!可愛いしか言えてないけど、猫は可愛いので!!可愛い!!

 『スカイウォーカーの夜明け』マラソンしてた時に、予告のキャッツで号泣してたんだけど、その泣いたシーンがここのベッドルームで暴れるシーンでウケてしまった。

 料理長が肉足りねぇ…って家族に謝んなきゃいけないね~♩ってところのビクトリアがめちゃくちゃ可愛くて、「もう…きみたち…お腹いっぱいチャオちゅ~る食べな?」って思ってニコニコしてしまった。

 終盤、ベッドルームの寝具を破壊して羽毛にまみれるマンゴジェリーとランペルティーザとビクトリアなんだけど、マジで猫ってそういうところある。壁とかソファとかズタボロにされるんだけど、「猫飼ってんな~!」という自意識が芽生えるだけで、なんかもうほんと…猫の全てを許された存在感がなんていうか…良いよね。

 このあとのピンチって、舞台だとマキャが襲ってくるんだっけ?なんかみんな戦ってたよね??覚えてないけど。映画のピンチは、動けなくなっちゃったビクトリアに犬がくるかも!!みたいなやつでした。そのピンチを助けたのはミストフェリーズ。「え?これはミストフェリーズとビクトリアが、グロールタイガー様とグリドルボーンみたいな関係になるやつ!?ベンとレイみたいにチューする!?うそ!?」ってびっくりしちゃったな。

 

・オールドデュトロノミー

 ♩彼こそがオールドデュトロノミー♩…って、ババアじゃん!!

 映画の歌を聞いてて、やっと彼女がどこでどんな生活をしてたのか把握しました。教会にいる猫ちゃんだったんですね。

 

・ジェリクル舞踏会

 ジェリクルキャッツの規定をめっちゃ並べる歌。意味不明すぎて好き。サイズ感の規定があるところが好き。

 

・メモリー

 突然のひまわり。

 「うわ、メモリーや」となったが、わたしは二幕の♩Touch me. It's so easy to leave me.♩でメモリーの全てを判断している(?)ので、一幕のメモリーの感想は保留。

 

・ビューティフルゴースト

 映画『CATS』の存在意義!レゾンデートル!愛してるぞー!!

 今まで、なんとなく心にひっかかってて。なんでミュージカル『CATS』の代表曲がジェリクルソングではなく、モリーだったのか。なんで、グリザベラは♩グラマーキャット♩の自己紹介曲を持っているのに、メモリーまで授けられたのか。メモリーって、音も歌詞も世界随一の美しさを誇るけど、なんかキャッツの世界観にもグリザベラのキャラクター観にも合ってなくない?って思ってて。

 このビューティフルゴーストは、「メモリーを補強し、CATSとグリザベラを完成させるため」の一曲で、わたしから言わせてもらえば発明。天啓。福音。

 もし、仮に、巷に流行している映画『CATS』への酷評の全てが正しいとして、映画『CATS』の名誉が穢されようとも、「ビューティフルゴーストをこの世に存在させた」という映画『CATS』が果たしたキャッツ世界への貢献を否定することは出来ない

 

・ガス

 ジェリクルボウルのシーンから、明らかにガスとスキンブルシャンクスが追加されてて笑うんだけど、……あれ?もしかしてガスとスキンブルシャンクスって、一緒に住んでる……?

 全部ガス自身が歌いきるのですが、ちょっと待って…?オールドデュトロノミー、ガスのファンだった????……え????デュト様……俳優オタク……?となり、脳内が0.2秒ぐらいフリーズしました。

 

・スキンブルシャンクス

 ♩スキ~~ンブルシャ~~ンクス!ザ キャット オブ ザ レイルウェイ トレイン~!!♩

 推し猫です。(見りゃ分かる)(すごいアピール)

 前情報で、「スキンブルはタップダンスをします!」ということを聞いていたので、「え?スキンブルがタップダンス?なぜ?どうして?」と疑問がいっぱいでしたが、タップと列車のガタンゴトンをリンクさせてるんだ、と気付いて泣いた。劇場の木の板を叩き始めたところで気付いて、ロンドンの駅に続くレールの上に場面が移ったときに本当に彼が鉄道猫になれていて嬉しくて泣いた。

 スキンブルシャンクスと蒸気機関車が一緒に映る場面がめっちゃくちゃ大好きだったし、実際の客車内にスキンブルたちがいるところは可愛すぎて泣いた。スキンブル~~~!!かわい~~~!!かわいい!!

 スキンブルシャンクスだけあと100回くらい観たい。

 

・マキャビティ

 わたしがスキンブルシャンクスを好きな理由の一つが、せっかくの大活躍を、マキャビティ→ミスターミストフェリーズのインパクトと人気に持っていかれる切ない感じがするところです。

 だが、スキンブルがグリザベラより先に天上に行った感じがするけどアレは大丈夫なのだろうか?

 デュト様が「わたしはアンタには屈しない卍」ってしてるのがすごいよかった。ガスのオタクだった説がわたしの中で浮上したデュト様への株も浮上。

 

・ミストフェリーズ

 舞台と映画の印象が違うキャラクターといえば、先のタガーちゃん以上にミストフェリーズが挙げられます。

 めちゃくちゃ活躍するやん……。(悔し泣き)(その出番、スキンブルに分けてもらえないだろうか)なんていうか、もうほんとに…ミストフェリーズの活躍っぷりが羨ましすぎて…。

 タガーは舞台のほうがわたし好みだけど、ミストフェリーズは映画の完璧じゃなくて、むしろ自信が無くて、臆病で、でも、誰かのために頑張る、誰かが応援してくれるから頑張る姿がめちゃくちゃ好き。活躍が羨ましすぎるぐらい。

 一世一代の手品が成功したあとで、テンション上がりすぎて嬉ションならぬ、嬉トランプするのが微笑ましすぎて泣いた。(微笑め)

 

・グロールタイガー

 …グロールタイガーを突き落とすのがガスっていうだけで、もうエモ&エモで5年ぐらい引きずりそう。

 舞台版の話をします。年老いた芝居猫であるガス(役者)の代表作がグロールタイガー(役名)でした。松平健さんの徳川吉宗とか、武田鉄矢さんの金八先生とか。劇中の歌詞を拝借すると、ガスのグロールタイガーは「歴史に残る名演技」「喝采浴びた当たり役」「みんなが見たがる大芝居 血が凍るようなトラ男」。年老いたガスにも、みんなはかつてのグロールタイガーを求めている。それでもガスは、「やろうかグロールタイガー。お望みならば。見せようか」とグロールタイガーを演じてくれます。

 映画は、ガスとグロールタイガーはそれぞれ別の猫として登場します。色んなことを考えて、グロールタイガーにトドメをさすのがガスってヤバくないですか!?ガスが、グロールタイガーと決別できたんだ~という新たなる感動であと42年ぐらいはアキアキフェスティバルします。

 

・メモリー

 はい、神映画です。

 もう、分かるじゃん?グリザベラのメモリーを聞いて、涙を流すマンカストラップがいる時点でこの戦の勝敗は見えてるんだよ。わたしの勝ちだと。

 

・天上の旅

 そ、そのルートだと、スキンブルと一緒じゃないか!?と一抹の不安を拭い去ってくれたまさかの気球。ロンドンは佐賀だった。

 グリザベラの気球にしがみつくマキャビティ可愛すぎてかわい~~!!ってなったんですけど、猫ってみ~んなかわいい!!猫DD!!(?)

 

・猫のごあいさつ

 ♩忘れてはいけない 猫は犬にあらず♩という謎歌詞が健在でニッコリご満悦。

 約2時間、猫の生き様を見てきて、わたしたち観客は気付くのです。♩とても似ている、人間と♩

 ここで、数年前に死んでペットロスが未だに癒えない猫のことを思い出して涙腺崩壊。子猫のときから16年飼ってた雑種のメス猫。彼女もきっと、あの町のどこかでジェリクルキャッツとして、デュト様たちに「わたしはこういう生き様でした!」って胸を張っているでしょう。

 

・その他まとめ

 15年前。わたしが初めてキャッツを見た。それからCDを繰り返し聞くようになり、四季の日本語詞は全部頭に入っていた。だから、吹替で観たら逆に何を言ってるのか分からなかったので、次は字幕で観たい。

 15年前のワクワクに、またこういう形で出会えるなんて思ってもみなかったからとても嬉しかった。

 ジェリクルボウルの会場名が「エジプシャン(だよね?)」ってなってたので、露骨に再生思想で来たな~と感心した。天上にのぼる、の意味がとても分かりやすくなっていて良かった。

 

 そりゃもう、手放しで「良い作品だ!!」とは言えない箇所はあったものの、自称映画評論家の的外れなご高説も、自称映画評論家のご意見に自我を支配されている信者たちも正直クソ喰らえだ。

 何に腹が立っているかというと、鑑賞マナーの悪いやつが全部オッサンだったこと。休日の吹替、小さいお子さんもいた。座席クッションを借りるような小さな子。あるいは、中学高校生くらいのカップルや友達連れもいた。本編始まる前までず~っと若い子の話し声が聞こえてて不安だったけど、彼らは本編が始まると静かに観ていた。上演中、遅れて入ってきて、席を右往左往して、ケータイの明かりで列を探し、わざわざ真ん中の席に座り、わざわざ真ん中の席から途中退出するようなオッサン。シャカシャカ鳴る素材の上着を何度も着脱するオッサン。一人や二人じゃなかった。マナー悪いなって思った奴全員オッサン。字幕もあるのに。わたしは割引使って観たけど、他の人は多分1900円払ってる。小さい子の貴重な映画体験になっていたはず。それなのに。

 自称映画評論家のご意見に自我を支配された冷やかしのオッサンどもに、わたしはめちゃくちゃ怒っている。評論家という生き物と、それらの金魚のフンはマジでクソでも喰らっとけ。

 

にゃ~ん

marshmallow-qa.com